sareluo’s diary ー 脚下照顧

これは私が精神を病み休職してから立ち直るまでを記したブログ

なぜ私が休職するに至ったか(前編)

希望が潰えた朝

昨日述べた通り、私が休職に至るまでの道筋について記述していこうと思う。

 

まず前提として、私はIT企業に就職して3年目の社会人である。

 

そして、ネットで良く目にするような所謂「ブラック企業」よりははるかにましな環境で仕事をしてきた、と自負している。

 

何せ、しっかりと機能した労組があり、残業の上限は決められ、

最低取得年休は絶対順守され、もちろん残業代が未払いになることもない。

上司との距離は近く話しやすい。

先輩たちは新人からの相談に嫌な顔一つせず乗る人格者がほとんど。

仕事で問題が発生すれば人のせいにせず、

あらゆる観点から対応策を考え出そうとする社風。

 

これだけ素晴らしい労働環境で精神が病む人間などいるものか。

(いや、いない。)

 

と、言いたいところではあるが、

少なくとも私が知る限り数人の休職者は出ていた。

 

それら全員が全員精神を病んだ結果とは言わないが、

どうしてもITという根を詰める作業が多くなる仕事上、

体は疲れていないのに朝ベッドから動けなくなってしまう、

ということは起こり得てしまうのだ。

 

事実、私が配属されていた課でも繁忙期ともなれば

朝定時に出社できている社員はそこまで多くなかった。

 

課のLINEグループには必ず誰かしらの「遅れます」メッセージが届いていたが、

もはや理由が書かれなくとも察していた。

 

そして、遅刻した人間に対して怒鳴るような上司はおらず、

恒例の風景として受け入れられていた。

 

というのも、課長が

「別に遅刻しても就業規則に則れば仕事をするのに必要な時間はとれるから

問題ない。ただし、評価にはきちんと反映するけどね」

というタイプの人間だったからである。

 

そして同時に、

「あれだけ残業してれば朝来られなくても無理ないでしょ」

という現場理解もあったため、

仕事の質さえ良ければ評価が落ちるということもなかった。

 

自分のペースで仕事ができれば大丈夫、ではあるものの、

やはり仕事そのものは大変である、というのが私の就職した会社であった。

 

では、そんな会社で働いていた私も、

もれなく仕事が忙しくなって疲れ果ててしまったのか。

 

というと、全くそんなことはないのだ。

 

むしろ、つい最近は繁忙期からは遠ざかり、

毎日定時で帰宅していた状態であった。

特に解決が難しい仕事を割り当てられていたわけでもなく、

期日が迫っている仕事なんて存在しない。

「今のうちに年休を溜め取りしておいたほうが良いね」

なんて先輩と笑いながら話していたくらいだ。

 

世間一般的に見れば余りにも恵まれた状態で日々を過ごしていた私は、

いつも通りに朝が来て目を覚まし、

 

ベッドから起きられなくなったのである。

 

私はなぜ生きているのか?

ここで、この記事を読んでくれているあなたに一つ、想像を膨らませてもらいたい。

 

想像の中のあなたは、週7日あるうち、必ず5日働かないといけない。

 

しかし、残りの2日は自由に時間を使ってもらってよい。

 

しかも、働く5日間も1日8時間しか拘束されず、それ以外の時間は自由だ。

 

そして、労働時間によって報酬も決定されるが、

今の労働時間で生きていくのに十分かつ趣味に使う分の報酬ももらえる。

 

仕事の内容はあなたの適性に合っていて、福利厚生も充実している。

 

この生活を40年続けてほしいと言われたら、

あなたはこの生活を受け入れるだろうか?受け入れないだろうか?

 

もしこの生活を受け入れなければ生きてはいけるが趣味は諦めなければいけない、

と条件をつけた場合、ほとんどの人が受け入れることを選択すると思う。

 

そこで、さらにこんな条件を付けくわえてみたい。

 

仕事の内容はあなたの適性に合っていて、福利厚生も充実している。

 

なのに、あなたは自由時間では疲れ切っていて、寝ることしかできない」。

 

この条件で、この生活を40年続けてほしい。

 

さて、いかがだろうか。

 

果たして、あなたはこの生活を続けていくことを受け入れられるだろうか。

 

あなたには趣味があって、やりたいことがあるというのに、

それらが全くできない生活を受け入れられるだろうか。

 

もしそんな生活をしていたとして、ふと未来のことを考えたとき、

絶望しないだろうか。

 

「自分はなぜ生きているのか?」という疑問を発したくはならないだろうか。

 

私は、仕事以外の時間で常に疲れ切っていて、

何の充足感も得られない生活を2年間繰り返し、

この生活があと40年続くことに絶望しきったその日、

 

ベッドから起きられなくなった。

 

以上、前編終了

ここまでが私が休職する以前に一度会社を休むことになったまでの話である。

 

自分でも思った以上に話が長くなってしまったため、

続きは明日以降にさせてもらいたい。

 

本当はもっと様々な要素が絡み合っていることを書こうと思ったのだが、

書き上げてみると言いたいことは次の通りだった。

 

「私は仕事が忙しくないのに疲れ切っていた。

 疲労を繰り返すだけの生活に絶望し、出社できなくなった」

 

非常に分かりやすいし、必要十分なまとめになっている。

 

しかしそれはあくまで「私」にとってであり、

「あなた」にとってはわけのわからないまとめに違いない。

 

「なぜ忙しくもない仕事でそんなに疲れていたんだ?」

 

その答えらしきものを私はまさに今日知ることができたのだが、

まずは順序良くそこに至るまでの話を記していくようにしたい。

 

すなわち、なぜ私が休職するに至ったのかの後編。

突然体調を崩した私を診た産業医がどのように判断したか。

そこについて説明をしていきたいと思う。

 

それではまた、次の記事で。